23年ぶりの区分所有法改正。老朽マンション管理に大きな転機

令和7年5月30日、区分所有法が実に23年ぶりに改正されました。今回の改正は、全国で増加する築古マンションの老朽化や、管理組合の担い手不足、所在不明の所有者問題、大規模災害時の復旧の遅れといった、これまで顕在化してきた課題に対応するものです。

マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案を閣議決定

令和7年3月4日国土交通省ホームページにて発表されました。マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案を閣議決定

具体的には、区分所有者の所在確認手続きの整備や、管理組合の意思決定を柔軟にする仕組みの導入、老朽化した建物の円滑な建替え・修繕を後押しする制度が新たに設けられました。また、大規模災害後の迅速な対応を可能にするため、共用部分の一時使用や修復に関する権限の明確化も図られています。

これにより、これまで管理が行き届かなかったマンションにも対応しやすくなり、住民の安全性や資産価値の向上が期待されます。マンションの所有者や管理会社、自治体にとっても大きな転機となる本改正。今後の管理体制を見直す絶好の機会です。

引用元・国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000224.html

■ 令和7年 区分所有法改正の主なポイント

1. 所在不明区分所有者への対応強化

所在不明の所有者が意思決定の妨げになっている問題に対応するため、一定の手続きを踏めば「不在者」として扱える制度が創設されました。これにより、管理組合は裁判所の許可を得ることで、代わりに意思決定を進めることが可能になります。

2. 意思決定の要件緩和

マンションの建替えや敷地売却など、これまで全員の同意または高い決議要件が必要だった事項について、要件が一部緩和されました。特に、長期間使われていないマンションでの再生を容易にするための柔軟な仕組みが導入されています。

3. 管理不全マンションへの対応

適切な管理が行われていない「管理不全マンション」への対策として、行政が改善命令を出せる制度が整備されました。これにより、放置された共用部分や安全上問題のある建物に対し、外部からの是正が可能になります。

4. 災害復旧に関する権限明確化

地震や台風などの災害時に、共用部分の復旧を迅速に行えるよう、管理組合に一定の裁量と権限が与えられました。仮使用や応急措置を円滑に行うための法的根拠が明文化されました。

5. 外部専門家の関与促進

管理組合に専門家(管理士や弁護士、建築士など)を関与させやすくする仕組みが整えられました。特に、担い手不足の問題を解消するために、第三者の知見を取り入れた管理体制を構築しやすくなります。


今後、これらの制度は段階的に施行されていく見込みです。管理組合や管理会社は、実務の見直しや規約の整備を早めに進めることが求められます。