【実務ログ】定期借家の期間満了。「出ていかない」と言われた時の対応とコストの現実

こんにちは!アルプス住宅サービスの現場担当、**「アルプスのお助けマン」**です。

賃貸管理の現場にいると、避けて通れないのが**「退去トラブル」です。 特に、あらかじめ期間を決めて契約する「定期借家契約」において、終了通知も完璧に出したはずなのに、いざ満了間際になって「納得いかない、退去しない!」**と主張されるケースがあります。

今回は、実際に私が弁護士に相談した事例をもとに、現場で取れる対策と、最悪の事態に備えたコストの考え方を共有します。


「騒音対応が不満」は退去拒否の理由になる?

今回直面したのは、定期借家契約の終了間際になって、入居者様から**「過去の騒音トラブルへの弊社の対応に不満がある。精神的苦痛や失業を招いたから出ていかない」**という主張をされたケースです。

もちろん、管理会社としては適切に対応済みであっても、感情的になっている入居者様に正論だけで立ち向かうのは非常に困難です。


1. 訴訟の前に!現場でできる「最後の説得術」

弁護士の先生にアドバイスをいただいた、有効な切り札は**「金銭的リスク」の提示**です。

多くの契約書には「契約が終わっても居座った場合、賃料の2倍を支払う」という特約があります。これを具体的に提示します。

「裁判になれば、実際に支払うことになります」

ここで重要なのは、これが単なる「脅し」ではなく、**「裁判になれば確実に支払いが命じられる法的な債務」**であると伝えることです。

  • 具体的な伝え方:「2026年5月24日以降は、今の賃料の倍額を支払う義務が発生します。もし明渡訴訟になれば、裁判所から退去命令と同時に、この倍額の支払いを命じる判決が下ります。過去の不満を理由に居座っても、この支払い義務が消えることはありません。」

「強制執行の費用」も入居者の負担に

さらに、最も重要なのがここです。

もし強制執行(無理やり荷物を運び出す作業)になった場合、その業者費用などは一旦オーナー様が立て替えますが、最終的にはすべて契約者本人へ請求されます。

「もし強制執行になれば、荷物の量によっては100万円近い費用がかかります。その費用も、最終的には裁判の手続きを経てあなたへ請求されることになるのです。 倍額の損害金に加え、多額の執行費用まで背負うのは、あまりにリスクが大きすぎませんか?」


2. 「明渡訴訟」にかかる費用のリアル

説得が実らず、裁判(明渡訴訟)に踏み切る場合、どれくらいのコストがかかるのか。内訳は以下の通りです。

項目費用の目安ポイント
弁護士費用約30万円〜裁判の手続き代行(税別)
裁判所費用約10万円印紙代・予納郵券など
強制執行費用30万〜100万円以上※これも最終的に契約者へ請求されます
合計約70万〜150万円

執行費用は「荷物の量」で決まります。100万円を超えるケースも珍しくありません。これが入居者自身の借金として残ることを考えれば、大抵の方は冷静さを取り戻してくれるはずです。


まとめ:管理会社としてできること

定期借家契約であっても、強制的に退去させるにはこれだけの時間とリスクが伴います。

私たち管理担当者にできることは、

  1. 契約書に「使用損害金(倍額)」の特約を必ず入れておくこと
  2. 「裁判費用や執行費用もすべてあなたの負担になる」という現実を説くこと
  3. それでもダメなら、早めに弁護士と連携し、被害を最小限に抑えること

トラブルは無いに越したことはありませんが、起きてしまった時にいかに迅速に、オーナー様の不利益を最小限に抑えるかがプロの仕事だと痛感しています。

同じようなトラブルでお悩みの管理担当者様、オーナー様、一緒に頑張りましょう!


アルプス住宅サービス株式会社

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